相続税の課税を受けるのは相続件数全体の約5%に過ぎません。
相続税は相続した財産が基礎控除(5000万円プラス1000万円×相続人の数)を上回っていた場合にその上回った部分に対して課税されるものであり、相続税の基礎控除の範囲内の財産であれば課税を受けないからです。したがって例えば、相続した財産が8000万円で、相続人が4人であれば基礎控除の額は5000万円プラス1000万円×4人で9000万円となり相続税の課税はなされないということです。
民法上、内縁の妻には相続権は認められていません。
民法上は戸籍上の妻に相続権があることを規定しておりますので、既に戸籍上の妻と別居しているような場合であって、内縁の妻や相続人以外の人に財産を相続させたいとお考えなのであれば遺言書を作成して遺贈をするか死因贈与の契約を行うことが必要になります。
相続人が妻・被相続人の兄弟姉妹のような場合、民法上の法定相続分は妻が3/4で兄弟姉妹が1/4になっています。しかし兄弟姉妹には遺留分が認められていませんので、妻にすべての遺産を相続させる内容の遺言書を作成しておけば、妻に一切の財産を相続させることができます。
相続税は、法定相続人一人につき1000万円の基礎控除額が認められます。
正確には基礎控除額は5000万円+1000万円×法定相続人の数をいいます。つまり法定相続人が多ければ、基礎控除の額は増え相続税の納税額は減少します。その為に相続対策として養子縁組をして法定相続人の数を増やすというケースが数多く見受けられるようになりました。このように法定相続人を増やす為の養子縁組が濫用されてしまうと公平な税負担という理念に反することになってしまいます。そこで昭和63年の改正で相続税の計算上は養子の数は一定の数に制限を受けることになりました。
被相続人に実子がある場合には、養子の数は一人まで基礎控除の額に算入ができる
被相続人に実子がない場合には、養子の数は二人まで基礎控除の額に算入ができる
相続放棄をした者がいた場合の基礎控除額の算定については相続税法の第15条2項には相続放棄があった場合には、その相続放棄がなかったものとした場合の相続人の数とする旨が規定されています。
したがって相続放棄をした者がいたとしても相続税の基礎控除を計算するときは相続放棄をした者の数も含めることができます。